2016年6月21日火曜日

僕たちという表現

 歌の歌詞を聴いていて、昔から疑問に感じるのが「僕たち~」という表現。これは歌い手側が、聴き手側との境界線をなくすために用いている表現方法のような気がします。素直な聴き手なら「僕たち~」というフレーズを聴けば、自分も僕たちの中にいるような錯覚に陥るのです。
 ところが、僕は素直な人間ではないので「あれっ?」と思ってしまいます。そもそも僕は歌い手やそのファンの人たちと同調したり、仲間意識を感じたいという行為を求めてはいないので「僕たち~」という歌詞を聴いても「あっ僕には関係ない」と心の中でつぶやいてしまいます。
 僕たちというフレーズを多用し、僕たちの中に自分もいるんだと錯覚している人々が多ければ多いほど、そのアーティストは豊かな暮らしをしているという事実を忘れてはいけません。その意味で、僕たちという表現には気をつけたほうが良さそうです。

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