日本の哲学者といえば?という問いに確実に名前が挙がるであろう人が旅立ちました。その名も鶴見俊輔。16歳でハーバード大学に入学したことや、デモに参加する行動派のイメージがつきまとう鶴見俊輔ですが、著作も多く残しています。何冊か改めて読み返してみると、かなりの読書家だったり、いわゆる知識人でない限り難解な文章で、すべてを理解することは不可能だと思いました。
たとえば、著書『鶴見俊輔コレクション1 思想をつむぐ人たち』の中で坂本龍一について評しているのですが「音楽に思想はあるか。その答えは難しい。しかし問いを変えて、思想に音楽性はあるというのが、彼の音楽と語りを聞いての私の感想だ」(※)とあります。おそらく大半の人が「一体何を言っているのかわからない」や「理屈っぽくて好きじゃない」と感想を漏らすであろう文章です。そもそも「思想」自体に色々な意味合いや捉え方があります。読者側の思想が何であるかが定まらない限り、言葉は意味を持たなくなります。僕はこの文章における思想を「人種」に置き換えて理解しました。
最後になりますが鶴見俊輔の言葉に「家族は親しい知人である」があります。僕は鶴見俊輔のダンディズムを見事に表している言葉だと思います。
(※)鶴見俊輔『鶴見俊輔コレクション1 思想をつむぐ人たち』(p209)より引用
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