過去の自分の代名詞として写真が挙げられると思います。写真が嫌いな人でも1・2枚は存在するでしょうし、学生の頃であれば、卒業アルバムは過去の自分と向き合う上で重要なアイテムとして残っているはずです。ですが、写真は表面的なもので、過去の自分の精神と向き合うことはできません。
過去の自分が何を考えていたのか、何を感じていたのかを知る上で、僕にとっては絵がふさわしいものです。昔の絵を見ると、その時の自分と向き合えます。過去の絵を見ていると「これはダメだ」と感じる時と「今よりも良い絵かもしれない」と驚く瞬間のどちらかです。だいたい昔の自分と今の自分とでセンス、感覚的な部分はたいして変化しているはずがありません。だとするならば、変化しているのは、タッチや技術の部分です。これは日々の鍛錬により確実にアップするものですが、昔のあまり鍛錬されていない歪んだタッチのほうが良いと感じたりするのです。当然、この歪んだタッチは計算によりもたらされたものではありませんが、純粋に絵を楽しんでいる事実が伝わるのです。
過去の自分から現在の自分へ。現在の自分から未来の自分へのメッセージとして、これからも僕は絵を描き続けていくつもりです。
0 件のコメント:
コメントを投稿