タッキーこと滝沢秀明さんはジャニーズJr.の頃から、大人気でした。Jr.ブームをけん引したのも紛れもなくタッキーでした。子役のえなりかずきがいつまでも国民にとって、子役のイメージであるように、タッキーにはいつまでもかわいいイメージがついていました。けれどもドラマ『せいせいするほど、愛してる』を観て、もうタッキーと呼ぶことは失礼なのかもしれないと、僕は思いました。ドラマでは大人の恋愛を題材としているのですが、そこにはかわいらしいタッキーなど存在しておらず、存在しているのは滝沢秀明というひとりの男と素晴らしいキャストとエアーギターなのです。
ドラマの影響により、正直、僕も自宅でエアーギターをやってみました。これはクラッシック音楽を聴きながら指揮者の真似をするのとは異なり、大変難しいものでした。なぜならば、エアーギターをやろうとすると、どうしてももうひとりの自分が出てきて「おい、恥ずかしいからやめろよ。やめとけって」と忠告してくるのです。結局、僕はエアーギターに集中することができませんでした。変なところに変な汗をかいてしまい、羞恥心に勝つことができないのです。エアーギターはアスリートが言うところのゾーンの状態でなければ、並の人間には行うことのできない極めて崇高な儀式なのだと実感しました。
滝沢秀明といえば、芸能界においても確たる地位を築いているスターです。にもかかわらず、エアーギターの演出を知り、台本を叩きつけて帰ってしまうような幼稚な行動はとらず、監督、演出家の指示に従い、忠実に演技をしている所に、滝沢秀明が本当にオトナの魅力を兼ね備えた素晴らしい俳優になったのだと僕は感慨にふけってしまうのです。
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