2022年12月18日日曜日

若くして

  若くして死んでしまう人をうらやましいと感じたことがある人はいらっしゃるのではないでしょうか。高校生の頃に倫理の先生がとてもおもしろい授業をやってくれて、僕は聞き入るように夢中になっていました。その先生は「信じられないかもしれませんが、みなさんの同級生で1人か2人は10代のうちに亡くなります」そう言い放ったのでした。あくまでも確率の問題だろうと僕は信じませんでしたが、19歳の夏に高校の同級生が亡くなりました。死亡原因は交通事故。倫理の先生の言う通りになったのです。仲の良かった友人同級生は今でも、その話をしたがりません。若くして死んでしまうと悪い印象が残りません。逆に良いイメージしか残らないのです。だから死者だけがいつまでも若者で、生きている我々は歳を取る一方です。これを僕はうらやましいと感じたりします。知人では「他人に迷惑かけてまで長生きしたくない」と発言する人もいて、倫理観は人それぞれ。

 僕は死について考え始めたのが、17歳の頃。村上春樹の名作『ノルウェイの森』を読んだことがきっかけです。それから翌年の18歳の冬には大好きだった祖父が亡くなり、生まれて初めて死を実感いたしました。72で病気もしたことがない、しかも虫歯もなく、健康だった祖父が突然、脳梗塞で命を落としたのです。ショックで言葉もありませんでした。命ある限り人は死にます。たとえ、それが短命であっても中身の濃い人生を送りたいと僕は考えています。

 以前このブログ内でアーティストが短命であることが多いのはなぜなのかについて記したことがあります。もしも興味のあるかたが、いらっしゃいましたらぜひ読んでやってください。それからこのブログは僕の生きている証みたいなものですから、何かしら他人に影響を与えることができたら幸いです。身近な人たちと死生観についてお話ししてみるのも有意義な時間かもしれませんね。


 

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