2016年6月29日水曜日

パターン化してしまう恐怖

 物事はあるパターンや法則の羅列でできている気がします。たとえば、好きなコメディアンの漫才やコントを見ているとパターンを発見します。それらの台本を作っている人は、そのパターンに沿って作るか、壊してしまうかの二者択一になります。当然、壊してしまえばまた新しいパターンを作らなければなりません。
 美術界において最大の破壊者はパブロピカソです。顔がグチャグチャの絵画をきっと誰もが一度は必ず見たことがあるはずです。もともとピカソは大変絵がうまく、10代の時にはプロの画家を凌駕するほどの実力を兼ね備えていました。ピカソは変化すること恐れなかった非常に勇気のある作家です。普通はあるパターンを生み出すと、そこにしがみつき、できるだけそのパターンを継続しようとするのですが、ピカソは自らのパターンを破壊し続け新しいものを作っていきました。
 人間は通常、変化することは苦手だと思います。だからといって、モノを創造する職業についているのならパターン化してしまうことは恐ろしいことです。いつまでも過去の自分にすがっていないで、新しい自分を作る努力を惜しまない人こそが本当の創造者です。
 顔がグチャグチャの絵を描くと、今でも「ピカソみたい」という声が上がります。つまり、誰もピカソを乗り越えることができていないということなのです。

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