2017年1月18日水曜日

作品の完成度

 著名な画家の代表作は?と質問され、その画家がどんなに有名であっても街ゆく人から聞き出せる解答はせいぜい1・2点が限度でしょう。
 ゴッホを例にすればわかるように画家は文字通り、命を懸けて絵を描きます。にも関わらず何千点、何万点と作品を制作しても、世に出るものは少なく、たとえ時代を超えることに成功しても、世間の人々の記憶に残るのは1点か2点の作品なのです。
 そもそも画家は時代を超越し自分以上の作品を歴史に残そうと絵を描くわけではないですが、心底には「あわよくば」と願いながら制作を続けているに違いありません。
 鑑賞者は何千点、何万点と制作できる画家がなぜ後世に語り続けられる作品を1・2点しか残せないのかと疑問に感じるでしょう。では、プロ野球選手で打率4割以上のアベレージを記録する選手がいるでしょうか。練習で快音を響かせるプロ野球選手も、いざ試合となると3割以上の打率を記録する選手の方が少ないくらいです。それはなぜなのか。相手投手もプロだからなのです。
 画家には相手投手は存在しません。ですが自分自身、それから時代という難敵と闘い続けなければなりません。制作する作品の完成度を高めることは大変なことです。そして、数千点に1点の確率で渾身の力作が生まれたとしても、時代はそう簡単に受け入れてはくれないのです。画家に大器晩成型が多いのはこのことに起因していると分析できます。

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