2016年8月30日火曜日

滝沢秀明のエアーギター

 今年もあと4ヶ月で終わりますが、「今年最も衝撃を受けた事は何か?」と問われたら、ゲス不倫でも、リオ五輪でもなく、タッキーのエアーギターだと僕は解答します。タッキーのエアーギターを知らない方はいないとは思うのですが、改めてご説明いたします。現在、TBSで絶賛放送中の火曜ドラマ『せいせいするほど、愛してる』の中で滝沢秀明さんが演じる三好海里が自宅で繰り広げるエアーギターのことです。
 タッキーこと滝沢秀明さんはジャニーズJr.の頃から、大人気でした。Jr.ブームをけん引したのも紛れもなくタッキーでした。子役のえなりかずきがいつまでも国民にとって、子役のイメージであるように、タッキーにはいつまでもかわいいイメージがついていました。けれどもドラマ『せいせいするほど、愛してる』を観て、もうタッキーと呼ぶことは失礼なのかもしれないと、僕は思いました。ドラマでは大人の恋愛を題材としているのですが、そこにはかわいらしいタッキーなど存在しておらず、存在しているのは滝沢秀明というひとりの男と素晴らしいキャストとエアーギターなのです。
 ドラマの影響により、正直、僕も自宅でエアーギターをやってみました。これはクラッシック音楽を聴きながら指揮者の真似をするのとは異なり、大変難しいものでした。なぜならば、エアーギターをやろうとすると、どうしてももうひとりの自分が出てきて「おい、恥ずかしいからやめろよ。やめとけって」と忠告してくるのです。結局、僕はエアーギターに集中することができませんでした。変なところに変な汗をかいてしまい、羞恥心に勝つことができないのです。エアーギターはアスリートが言うところのゾーンの状態でなければ、並の人間には行うことのできない極めて崇高な儀式なのだと実感しました。
 滝沢秀明といえば、芸能界においても確たる地位を築いているスターです。にもかかわらず、エアーギターの演出を知り、台本を叩きつけて帰ってしまうような幼稚な行動はとらず、監督、演出家の指示に従い、忠実に演技をしている所に、滝沢秀明が本当にオトナの魅力を兼ね備えた素晴らしい俳優になったのだと僕は感慨にふけってしまうのです。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿