2021年10月13日水曜日

ZORNのパンチライン

  「俺は東京生まれHIPHOP育ち 悪そうな奴は大体友達」日本一有名なこのパンチラインはおそらく誰も超えることはないだろうと誰しもが感じていたはずですが、最近知ったラッパーの「洗濯物干すのもHiphop」というパンチラインを聴いて、僕はカミナリに打たれたような衝撃を受けました。そのラッパーの名はZORN。もう有名な方ですが、流行に疎い僕には知らないラッパーでした。彼は少年院を首席で出所した人で、イケメンで、今でも職人の仕事を続けているそうです。

 ZORNのすごいところは、ラップ、ヒップホップのイメージを根底から変えた点にあると思います。高級外車、派手な装飾品、美女、豪快に遊ぶ様子。彼はこのイメージを変え、一般庶民でもラップをやっていい、日常生活の中にヒップホップはあっていいんだと表現しました。「ラッパーなのに働いているの?」このような古い価値観をも彼は身を持って変えました。革新的なことです。それから家族愛。家族を大切にしているところがすごいと思いますね。

 今後、ZORNをディスれる人はいないのではないかと思うくらい彼のライミングは完璧で、どの曲においても韻を踏み倒しています。昔のフリースタイルもすごくて、実力者で、成り上がったというところは、KREVAによく似ていますが、だからこそKREVAが絶賛するアーティストがZORNなのでしょう。KREVAとの共作である『タンポポ』では「年少の独房 慶応を卒業 今交わるデコボコのオフロード」とあり、僕は吹いてしまいましたね。ふつうの人生を歩んでいたのであれば、きっと出会うことがなかった2人。そんな2人がヒップホップという世界で出会うべくして出会い、コラボするに至ったのでしょう。

 個人的にZORNの曲でおすすめしたいのが『Letter』という一曲。最愛の奥様の連れ子を自分の本当の子どものように愛しているところがZORNらしさがよく出ていると思います。

 将来的にZORNの曲を聴いた子どもたちが「俺ってストリート育ちじゃないふつうの人生だけどラップしてみようかな」という形で、ラップを始める可能性が高まったこと。これは多大なる功績だと思います。これからの未来にタネを蒔いた歴史的なアーティストがZORNであり、次にはどんなパンチラインが飛び出すのか、僕は楽しみで仕方がありません。要チェックですね。



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